グッドデザイン賞とは
優れたデザインの製品や建築、サービス、システムに贈られるグッドデザイン賞は、
公益財団法人日本デザイン振興会が主催しています。
グッドデザイン賞は単にデザインの優劣を競うコンクールやコンテストではなく、その審査を通じて、
新たな創造の価値を発見して社会と共有することで、次の創造につなげていく仕組みです。
デザインの盗用問題を背景に、グッドデザイン賞は当初、工業製品のみが受賞対象となっていました。
しかしながら、受賞対象の範囲は、時代とともに変わってきています。
グッドデザイン賞は、向き合うべき根源的な課題として以下の5つの言葉を掲げています。
つまり、これらの課題解決を求めているともいえます。
本対象は、病院など医療施設内における収納キャビネット、搬送カートはどうあるべきかを徹底的に追求しさまざまな要因に対処できるシステム化された商品として高く評価したい。
十分な機能性や耐久性とともに、清潔感が感じられる優しさのあるデザインを実現している、無機質なデザインにならなかったことを高く評価したい。
また構造的にもシンプルで、環境にも配慮したリサイクル可能な素材を採用している点も評価できる。
キャビネットとのトレー互換性というモジュール設計によって、清潔かつ安心安全であること、といった医療現場で当たり前に考慮されるべき事項をしっかりと担保したデザインとなっている。
これにより、作業のシームレス化も図られ、機能的効率的によってユーザーの負担軽減につながっている。
ナーシングテーブルとの連動も含め、システムとしてのデザインがなされることで、現場での作業性の向上に貢献している点を評価した。
救急救命のための引出しは、仕切りや高さの構成をフルカスタムでき、オールプラスチックで金属レールを用いず院内感染・汚染防止のために水洗い可能で、管理点検の徹底のための施錠・封印機構など、医療業務を総合的に考慮した機能性が実現されている。
アルミとプラスチックの素材の使い分けは上質感があり、どこにあっても目につくカラーリングを含め、総合的に完成度の高いデザインである。